
2020年11月17日(火)
高知・土佐御苑の郷土色豊かなお料理がすごい! [こだわりの食事]
バス旅天国と「バス旅ガイド(豊鉄観光さんの旅ブログで、いまは削除されていて残念ながら見られません)」の取材で、全国各地の観光ホテル、観光旅館を訪ね、泊り、お風呂に入り、食事をさせて頂きました。
特に、食事の取材は、しっかりメモと写真を残しましたが、どうしても何件も取材が連続すると、いわゆる旅館料理に慣れてきてしまうものですが、それでも、これは!という料理の印象が強いものもあります。
前回の『奈良時代の宮廷料理』もそうですが、今回の高知「土佐御苑」の郷土色豊かな料理にも感服しました。
「土佐御苑」さんは、JR高知駅から南にすぐ近く、そのまま真直ぐ「江の口川」を渡って行くと、有名な「はりまや橋」があるという、分かり易いところにあります。
参考までに、グーグルマップでご確認ください。
まずは、ということで出て来たのが、有名な「酒盗」。
鰹の内蔵の塩辛なんですが、(特に端麗辛口が多い高知の)日本酒によく合うことは、私も知っておりました。
が、残念ながら車で取材、しかも頂いたのは14時頃で、まだまだ取材があり、食べるだけで残念!
そして、1人前に分けてありますが、という注釈付き出されたのが、高知料理の代表「皿鉢料理」です。(アレは後で出ます)高知色満載のお料理で、ホタテ貝ではなく「長太郎貝のマヨネーズ焼き」、クルマエビの横の貝も、特産「チャンバラ貝」。
緑の小鉢は「フキの酢和え」、緑の串はコンニャク焼き。
なぜ「チャンバラ貝」かというと、この巻貝にしては珍しい刀、みたいな棘を出すからなのです。
標準和名は『マガキガイ』と言って、西日本に広く分布しているそうですが、高知の方が付けた「チャンバラ貝」が、インパクトがあって、広く知られているそうです。
身を取り出すやり方は、一般的な巻貝類と同じで、最後の部分をしっかり取り出せたときは、ちょっと快感ですね。
食べると、こりこりして味もしっかりしていて、当時のメモにも“美味”と記してあります。
クルマエビの後ろにあった赤い魚は「金目鯛の西京焼き」。
しっかりした噛み応えのある、美味しい焼き魚でした。
その手前に会った、緑色の松葉を模した串に刺さっていたのが「こんにゃくの炙り焼」です。
すごく歯切れよく、さくさく噛めて、それでいて味がしっかり浸み込んでいる、とても感心したことを覚えています。
そして、高知に来て、これが出ない訳はない、という「鰹のたたき」の登場です。
小ぶりな鉢に、品よく入っているので、ちょっと拍子抜け(なんか、どっか〜んと出て来るんじゃと思ってたので)
でしたが、
独特のタレと、にんにく、ねぎ、玉ねぎを乗っけると、鰹の張りのある食感が相まって、さすが本場の鰹だね、と唸らざるを得ないものでした。
通常のバスツアーの夕食や、朝食そのものを用意して頂くものですが「土佐御苑」さんでは、料理自慢のホテルなので、今後のツアーに、グレードアップ版を設定して欲しいと、様々な料理を用意して頂いたのです。
と言うことで、これは土佐名物の「軍鶏(シャモ)鍋」です。
腰のある鶏肉で、噛むと昔食べた鶏肉の味を思い出しました。
なお、写真の真ん中の鶏肉の上に乗っている、わさび漬けのようなものは、鶏のつみれです。
※赤いおたまが、トマトに見えて、実は混乱しました(笑)
そして「揚物=天ぷら」が出て来ましたが、中の魚が見当つきませんで、「はも」?もしかすると、土佐御苑名物の「うつぼ」かな、と…。
うつぼの煮喰い(鍋料理)とか、うつぼのタタキが普通にメニューに載っています。
そして、またまた登場「茹でた長太郎貝に『ぬた』のかかった料理」。
ぬた、とは、高知ならではの酢味噌で、葉ニンニクをすり潰して混ぜたもので、他県で言う、ワケギや、イカ、タニシの「ぬた」とは、ちょっと違います。とにかく旨し!
そしてご飯は「フキ炊き込みご飯」が出て来ました。
宴会のシメに最適かと、思います。
汁ものは、坂本竜馬にちなんで(取材時2010年4月23日は、NHK『龍馬伝』で、高知は大盛り上がり)、長州名物「のっぺい汁」です。
最後にデザートが出て来ましたが、何に見えるでしょう?
私は写真を見て、てっきりゼリーで包んだマスカットかと思いましたが、これも「こんにゃく」のお菓子でした。
この時は、館内の料亭「花蝶庵」で、次々出てくる料理の撮影とメモを取るのに大童で、今は懐かしい取材でありました。
Posted
by 小池 泉壬
at 18時25分
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2020年11月08日(日)
新コーナー『リトルポンド図書館』リンク開始しました [お知らせ]
SFじゃない短〜中編小説、執筆開始しました。
すでにアップアップで、なに始めるねん、という状態ですが、書いてみたいばらばらテーマを、この図書館にひとつずつ、収蔵していきたいと思います。
どこまでやれるか、乞うご観覧&ご寛容!!
あっ、掲載場所は右側の「リンク集」欄です。どうぞヨロシクです。
Posted
by 小池 泉壬
at 14時18分
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2020年11月06日(金)
奈良平城京の宮廷料理を召し上がれ [こだわりの食事]
このタイトルのお食事が頂けるのは、奈良市宝来4丁目の「奈良パークホテル」であります。
取材日は2014年11月20日、豊鉄ハニットアゼリアツアーの「天平の抄と大和国紅葉名刹の旅」の取材でした。
およその位置関係は、グーグルマップでご覧の通り、奈良駅から見て、「奈良公園・東大寺・春日大社」の観光ゾーンの反対側(西方)に位置しているとお考え下さい。
この「天平の宮廷料理」は、パークホテルの調理長が1300年の時を遡り、現代におけるヘルシー料理として、平城京では貴族階級が味わえた食材と調理法を再現したもので、味覚のチャレンジャーを自負する方は、大いに興味を覚えるものと思います。
このバスツアーでの「天平の宮廷料理」としては、昼食で立ち寄られた観光客には、このように食堂で頂くか、夕食ならば大広間で頂くようになっていました。
ただ、特別な料理なので、写真のように、奈良(天平)時代の女官に扮したスタッフが、解説して興趣を盛り上げます。
女官スタッフさんは、ご覧のように可愛らしい女性でした。
6年前のことですけど…♪
20名くらいの小グループの場合、運が良ければ、天平時代の宮廷を想わせる、この「大宮の間」で奈良時代の宮廷人が頂いた、料理を味わうことができるのです。
さて肝心のお料理は、最初このような配膳でした。
この段階での私の印象は、現代の料理に比べると、パサッとしているな、というものでした。
特に、真ん中の黒い液体の入った椀と、その横の黒い塗り蓋の椀が、気になりました。
当然、普通なら食べ始めている訳ですが、取材の都合上、この後から出てくる料理も、全て出して欲しいとお願いした結果が、こちらの状態です。
左側の「鶏の叩き」と「かぼちゃと小豆の炊き合わせ」、右の灰色のそば「黒米そうめん」が、膳に加わりました。
それでは、各お料理を詳しくご案内しましょう。
全体図の上の左から、鮫と鮭の干物「楚割り」、古代のチーズ「蘇(最上級の蘇が醍醐味)」、中国から渡来の「唐菓子」、下の段は「豆腐」と、干した大根の塩漬け「須々保利(スズホリ)漬け」です。
次に、気になるお味の方は…。
まず「楚割り(スヤワリ)」の白い方。赤いのが鮭なので、こちらは鮫?
三枚におろした魚肉を拍子木に切り、薄塩したのを天日乾燥した製品。
お味は素朴な乾燥魚肉。特に“鮫”らしさは感じられませんでした(例えばよく言うアンモニア臭とかは無し)。
こちらは、お菓子扱いの「唐菓子」と「蘇」。
荒引き小麦粉に塩と胡麻を入れて練り上げ、胡麻油で揚げた「唐菓子」は、あっさりしたカリントウの感じ。
「蘇」は、確かにチーズ的なお味でした。
最上級の「醍醐味」は、どんな味なのでしょうね。
ちら見えの「須々保利漬け」は、薄味の沢庵的な漬物。
最初から気になっていた、汁粉のような黒いのは「黒米粥」で、全然甘くはありません。
それでも、中国歴代の皇帝に献上された貴重なもち米で、香り良く甘味があり、栄養も豊富で、消化機能を高め、身体を温めるなど、美容と健康に効果があるんだそうです。
そして、こちらも黒米が原料の「黒米素麺 天平の糸」。
最初は「蕎麦」かと思ったのですが、ちゃんと腰がある素麺でした。
今までの料理に比べると、現代人にも合うのが左端の二品。
上の「鶏叩き」は、今のお客さんに合せたもので、美味でした。奈良時代は鳥獣肉を干した物を食べていた模様。
下の「かぼちゃと小豆の炊合わせ」は、甘く美味でした。
右端の「お寿司」らしきものは、「柿の葉寿司」「いなり寿司」「めはり寿司」で、いずれもご飯の量が多く、しっかりお腹をつくってくれます。
中でも「柿の葉寿司」の中身は、この通りサバ寿司になっていて、美味しいものでした。
冷蔵庫のない時代の食品は、基本干すか、塩をするかで、調理法も限られる中、このホテルの調理師さんの奈良時代料理の再現は、大変な努力がいったと思われます。
料理を食べ終えて、最後に出て来た「汁粉」を頂きながら、現代の私たちが食している料理に比べると、素朴で淡白な味の天平の宮廷料理は、究極のヘルシーメニューであることが分かり、また日本の風土は、大変バラエティに富んだ食材を育んでくれていることを再認識しました。
Posted
by 小池 泉壬
at 16時28分
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