
2020年12月29日(火)
なんと、素晴らしいお料理! [三朝温泉の旅]
2009年3月25日に訪れた山陰三朝温泉「三朝館」。
初夏の倉吉(散策)〜三朝温泉泊〜とっとり花回廊〜蒜山高原の旅の取材だったのですが、3月の鳥取は、まだ寒く、雪が降る天気でした。
左のカテゴリー欄の「雪でした」でも取り上げていますが、とにかく冬シーズンのお料理、しかも取材もあるということで、随分ボリューミィで、美味しいご馳走が並びました。
ラジウム泉で有名な三朝温泉のお湯については「三朝温泉の旅1」にてご紹介していますが、今回は料理のご紹介です。
まず『先付』の「鉄皮の霜和え」。鉄皮とは、とらふぐの皮の棘を料理人の高度な技で処理して、数の子とポン酢で和えたとろける珍味です。
先付の次は『前菜』に箸を伸ばしましょうう。
「季節の吹き寄せ盛り」は、全体に甘口の料理で、手長海老には、小さな金平糖がまぶされています。
その他、平隠元豆、薩摩芋、南瓜、黄色の器のクコとグレープフルーツなど、意表を突いた味が、舌を活性化させます。
次は『造里』、「厳選旬魚五種盛り合わせ」。
ボタンエビ、さざえ、鮪、鰤、鯛の刺身が、険を競うように、舌の上で踊ります。
秀逸は、さざえの刺身のこりこり歯応えでしたね。
同じ器に同席している「いくら」も、ぷっちんぷっちんと、興を添えてくれました。
さてお次は、会席料理のリリーフ投手とも言うべき『凌ぎ』の「鴨南うどん」であります。
冷たい汁に、腰の強いうどんと、歯切れの良い鴨の風味が、よいコンビネーションで、杯の重ねに貢献します。
すると、さっぱりした口中に、次の『煮物』の「鰤大根」の甘辛こってりした味が広がって、またまた食欲が刺激されると言う訳です。
しかし、鰤よりも、大根が美味しくなるという、煮物の宿命を感じる逸品でした。
さてとお次に控えしは…てな感じで、『焼物』「鳥取牛の陶板ステーキ」が出番を待ってます。
当然、ステーキですから、焼いてるところをご覧頂く訳ですが、鳥取牛の柔らかさ&脂の甘みと旨味は、恐るべきものでありました。
愛知なら、飛騨牛とか、松坂牛というブランドが憧れですが、鳥取牛“恐るべし”です!
陶板焼きが出て来て、それで収まらないのが三朝館の凄いところです。
『台の物』は、なんと「河豚ちり鍋」ときました。
皿の右端が河豚ですが、真ん中辺りの黄土色のぺたっとしたのは「かき餅」で、なんとも美味しかった、です。
食材を、錫の鍋に入れて、火を点けます。
あとは、ぐつぐつなれば、食べ始められますが、さっきの陶板焼きといい、夕食が本当にゆったりとした気分で、楽しめる仕掛けになっていて、時の経つのを忘れてしまいそう。
さて、河豚、いってみましょうか。
見かけは、意外に地味でしたが、食べるとやっぱり、旨い!
身、しこしこでっせ。
もう終わりか、と思った頃に出てくる『油物』の「海老の変わり揚げ」であります。
なんと、海老にジャガイモを巻いて揚げてあって、そのカリカリ感がなんとも言えませんでした。
ここらで、ちょっと箸休め、みたいな感じの『蒸し物』は「甘鯛蕪蒸し」であります。
小さめの料理の繊細さを、慎重に味わうのも、日本料理の良いところでしょうか。
酒が、どんどん進みます。
こんな段階で、まだ真打が登場するのが、冬の山陰地方の油断できないところです。
『酢の物』と言えば、普通、舌を洗うくらいの位置づけですが、ご当地は、ここで「ずわいがに」!!
これはもう、本当に美味しくて!困ってしまうレベルの食感です。
かにの身の、粒だっている細胞のひとつひとつに、冬の旨味がぎゅーっと詰まっております!!
そして、『止椀』の「新薯(シンジョ)の赤出汁」、「三種の香の物」でご飯も頂き、最後の最後に出て来ます『果物』が、これだけのボリュームの「季節のフルーツ ゼリーがけ」ですが、やはり別腹にしっかり収めることができました。
※「三朝館」は、2013年に経営者が変わったようです。
今も、こんな料理が楽しめますように♪
Posted
by 小池 泉壬
at 22時08分
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2020年12月18日(金)
『どんど晴れ』みたいな「万座温泉日進館」の美人女将 [美人女将]
前回ご紹介した「リビングウェル」の、春号の取材で伺ったのが、標高1800mの白いお湯の温泉「万座温泉日進館」でした。
この万座温泉は、昔から湯治場として栄えた温泉地で、普通の観光温泉とは少々異なって、お客さんとホテルスタッフとの間に、家庭的な雰囲気があります。
なお、当時の取材記事として、左欄の「万座温泉」でもご紹介しています。
その場所は、有名な草津温泉から、白根山(もうひとつ別に草津白根山があります)に向かって、山道を行った先に、何軒ものホテルや旅館のある万座温泉郷の、その中でも高いところにあります。
バスが着いて、お客さんが次々に到着する頃、女将は玄関口でお出迎え。
優しい笑顔が、遠くまでやって来たお客さんの疲れを軽くしてくれるようです。
この『女将奮闘記』の取材で伺った2007年7月19日に、お会いした女将・黒岩麻利子さんは、神奈川県で12代続いた由緒ある家の長女でした。
旅館とも観光業とも全く無縁な、東京でフォーマルドレスのアパレルメーカーにお勤めのOLだったのだそう。
その麻利子さんが22歳の時、女友達のスキー検定に同行したスキー場で、インストラクターとその後輩の黒岩堅一さんの4人でコンパをして、一目ぼれした黒岩さんが猛烈プロポーズ!結局、知り合って7ヵ月後に結婚することに。
実家も旅館の女将なんてできるの?と心配したのだが、彼はパソコンで会計でもしていてくれればよいと言うので結婚。
本当は女将がどんなものかとわかっていたら、絶対結婚していなかったでしょうねと笑いながら、話してくれました。
そのとき、麻利子女将が言われたのが、当時のNHK朝ドラ『どんど晴れ』みたいなんです、という言葉でした。
盛岡市の老舗旅館「加賀美屋」の大女将・草笛光子の厳しい女将修行に耐え、やり遂げていくヒロイン・比嘉愛未に共感しているということでした。
※後の、東海テレビ制作の『花嫁のれん』(2010年〜)も、同じイメージかと思います。
今は、こうして顔なじみのお客さんに、笑顔で話しかけている麻利子女将ですが、始めのうちは、従業員に負けまいと、皆より少しでも多く仕事をしようとしていたそうです。
そんなある夜「貴女が現場にいたら誰が女将としてお客様を迎えるの?」と、誰かに声をかけられた夢を見て、仕事を任せられる部下を育てる大事さに、気付いたそうです。
こちらが、当時の万座温泉ホテル日進館の黒岩会長です。
そう、麻利子女将に猛烈アタックしたご主人さまです。
実は、会長職のほか、CDアルバムを出しているシンガーソングライターでもある泉 堅さんとして、
こうして、なかなかコンサートなど聴きに行けないお客様のために、広いロビーを活かしたフロアショーを演って、心が沸き立つようなことを、当時は提供されていました。
こちらが、2007年当時の「カルチャーヘブン泉 堅ショー」の様子です。
ご本人の他、友人のアーチストたちの協力でクラシックコンサートや、津軽三味線や、牧師さんのお話に至るまで幅広く、宿泊客のアフターディナータイムを盛り上げていました。
フロアショーも、高山にある温泉ホテルの強力な誘客策でしたが、ほかにも『まごわやさしい御膳』《体に良いと言う、ま=豆、ご=ゴマ、わ=ワカメ、や=野菜、さ=魚、しい=椎茸を使った料理》…(現在も提供中)
※夕食用は基本3パターンあり、3連泊のお客様に対応
取材時は、こうして調理室のお仕事ぶりも撮影させて(衛生管理の下)頂いたり、
快活な料理長さん(2007年当時)から、お話も伺えたり、観光バスツアーを離れた視点での、取材をさせて頂きました。
もちろん、肌にすごく馴染む白濁の湯(数多くの温泉を体験させて頂いた私のベスト1と言っても良いすばらしいお湯)源泉の良さが最大の武器でしょう。
※泉質・泉温…酸性硫黄泉の約80度の高温と27種類の泉質が万病に効果あるため、湯治客が多い。
あれから13年が経ち、HPで拝見したところ、現在のスタッフの皆さんは、営業部長の山田さんの他は、皆、新しい顔ぶれになられているようです。
それでも、いつか又、家族で泊まりに行ってみたいお宿であります。
Posted
by 小池 泉壬
at 10時47分
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2020年12月11日(金)
ゆのごう美春閣の美人女将 いずみさん [美人女将]
今回は、取材先でお会いした魅力的な方のご紹介です。
三重県の栄養食品メーカー・ニュートリー(株)の会報「リビングウェル」の2008年秋号で“美人女将奮闘記”を制作。
その取材で、カメラマン・香村氏と2008年6月6日に、この「ゆのごう美春閣」の女将を訪ねました。
※美春閣と、その周辺の観光ご案内は、左の「カテゴリー」の『岡山県湯郷温泉』内でも触れておりますが、今回は女将の人物紹介中心です。
「湯郷温泉」と言うと、「なでしこ1部リーグ」の「湯郷ベル」を、思い出す方もあるかも知れませんね。
湯郷温泉は、岡山市の北、津山市の隣りの美作市にあり、マイカーなら「中国自動車道・美作IC」を過ぎて「美作岡山道路」に入り「勝央IC」を出るのが便利です。
以前のバス天では、観光バスツアーの宿泊先としてのホテル案内、となっていたお話を、今回は観光ホテルの女将として頑張る若い女性の奮闘記として、ご紹介させて頂きます。
大坂の大学で「ホテル事業論」に触れ、宝塚のホテルに入社し、3年後に課長職で副支配人格のポジションに抜擢されたという、根っからの宿泊業界人なんです。
その頃、今のご主人、岡山の下電ホテルの若旦那である永山久徳氏と知り合ったそうです。
そして、ヘッドハンティングというか、プロポーズみたいなことがあり、2005年3月に永山久徳氏と結婚。
今では、営業スタッフが“女将のご挨拶付き予約”を取ってくるくらいの人気女将になっています。
ただ、女将のいずみさんは外回りの営業にも力を入れていて、留守勝なことも多いのが、気になってもいるとか。
お客さまでもホテルのスタッフにでも、人と話すのが得意ないずみさんは、110〜130人の従業員の人たちに、公平感とやりがいを感じられるようにしてあげることが、重要な仕事だと仰られていました。
館内にいるときは、接客スタッフとも、毎日のリレーションが欠かせません。
ただ、以前働いていた幹部社員と従業員との距離感と、今の経営者の立場は、営業係数の管理や“人事と給与”を決める仕事があるので、仲間感覚だけでは、やっていけないんです、と仰っていました。
それでも、日々忙しくホテルの内外を飛び回る中、こうしてきれいに整えられた、自慢のお庭を廻って、手入れするとき、何とも言えず充実感に浸ることができるんです、と笑顔がこぼれました。
ところで、なにか特技は?と訊いた答えが、このポーズ。
そう、大学時代に剣道をやっていて、なんと二段とのこと。
それを活かして、宮本武蔵の生誕地である美作市の職員の方と『武蔵と小次郎』の寸劇を演り、おおいに受けたとか。
ちなみに、いずみさんは小次郎だったんだそうです。
こちらが、大阪学院大学時代の川上いずみ選手です。
なにしろ『全日本女子学生剣道優勝大会』に、選手として出場するほどの腕前だったようで、才色兼備そのものですね、とつい口から出てしまいました。
そう言えば「ゆのごう美春閣」のHPにあったオリジナルキャラを、背中の竹刀が小次郎役のイメージなんでしょうか…と、ご紹介しちゃいましたが、山陽新聞さんの「鬼女将永山キャラクター」ですとのこと。
ということで、いずみ女将が送ってくれた剣道部キャラに変更させて頂きます。山陽新聞さん、失礼しました!
※図中の「ぼっけぇのぉ〜」は、愛知の「どえりゃ〜」と、同じ使われ方の岡山弁のようですね。
当日の撮影状況は、こんな感じでしたが、カメラ慣れされている様子で、本当に良い表情をされ、カメラマンの香村氏も、ノリノリの撮影でした。
その場所は、自慢の日本庭園がすっきり見渡せるロビーラウンジの一画でした。
自慢の温泉は、「大浴場一の湯」から窓外を見ての写真。
大浴場は「二の湯」もあり、男女入替え制になっています。
泉質は、塩化物泉(低張性弱アルカリ泉)で、源泉温度は40℃と言う、本物の温泉であります。
こちらは温泉好きなら皆んな大好きな「露天風呂」です。
外湯は、ほかにも幾つもあって、行ってみてのお楽しみと。
そのほか、貸切露天風呂も、ご家族連れに好評だということです。
この写真のみ、私が撮らせて頂いたもの(いい笑顔!)。
他の女将写真は、全て香村カメラマンの撮影です。
あれからもう12年も経って、今はママにもなっているいずみ女将。愛車「ダーリン号」は、もう何代目になっているんでしょうかねぇ…。
※いずみ女将に会えた方は、本当に運の良い方です!
Posted
by 小池 泉壬
at 19時21分
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